会議が終わったあと、
メモをまとめようと思いながら、そのままになってしまう。
電話の内容を覚えておこうと思っても、次の業務に追われて忘れてしまう。
こうした「記録の後回し」は、
多くの現場で当たり前のように起きています。
そして多くの場合、
その原因は「やり方が悪い」「意識が低い」ことだと捉えられがちです。
しかし実際には、記録が後回しになるのは個人の問題ではありません。
記録は「重要だが緊急ではない」
記録やメモ、議事録が後回しになる最大の理由は、
それらが 「重要だが、緊急ではない作業」 に分類されるからです。
- すぐにやらなくても業務は進む
- 今やらなくても怒られない
- 後でまとめればいいと思える
その結果、
目の前の対応や締切がある業務が優先され、
記録は後回しにされていきます。
これは、どれだけ真面目な人でも避けられない構造です。
記録が機能しなくなる瞬間
仮に記録を残していたとしても、
次のような状態になると、実質的に使われなくなります。
- どこに書いたか分からない
- 情報が断片的で、後から見ても理解できない
- 誰のための記録なのか分からない
この状態になると、
「書いたのに役に立たない」という感覚が生まれ、
次第に記録そのものが省略されていきます。
問題は「書くこと」ではなく「使われないこと」
多くの現場では、
記録が後回しになる理由を「書くのが面倒だから」と考えがちです。
しかし本質的な問題は、
記録が“使われる前提”になっていないことにあります。
- 記録しても参照されない
- 共有されない
- 意思決定に使われない
この状態では、
記録は「業務の一部」ではなく「余計な作業」になってしまいます。
記録を残す人と、使う人が分かれている
もう一つのよくある問題は、
記録を残す人と、それを使う人が一致していないことです。
- 会議の議事録を書く人
- 内容を判断・決定する人
- 後から確認したい人
これらが別々だと、
どの粒度で、何を残すべきかが曖昧になります。
結果として、
- 書きすぎて読むのが大変
- 書かなさすぎて意味が分からない
という状態に陥りやすくなります。
記録が「負担」になる構造
ここまで整理すると、
記録が負担になる理由は次のように整理できます。
- 緊急度が低く、後回しにされやすい
- 使われるイメージが持てない
- 誰のための作業か分からない
この構造が変わらない限り、
「もっと丁寧に書こう」「忘れずに残そう」と意識を変えても、
状況はあまり改善しません。
記録を業務に戻すために考えたい視点
記録を後回しにしないためには、
やり方を工夫する前に、次の点を整理する必要があります。
① 記録は何のために必要か
確認のためなのか、
共有のためなのか、
意思決定のためなのか。
② 誰が使うのか
自分だけなのか、
チームなのか、
後工程なのか。
③ いつ使われるのか
すぐなのか、
後日なのか、
定期的なのか。
これが整理できると、
「残すべき内容」と「残さなくていい内容」が自然に分かれてきます。
記録が整うと、業務は静かに楽になる
記録や情報整理がうまく機能し始めると、
業務は劇的に速くなるというより、静かに楽になります。
- 確認のやり取りが減る
- 同じ説明を何度もしなくて済む
- 思い出す作業が減る
これは、
作業効率というより 思考の負担が減る 変化です。
次に考えるべきこと
記録が後回しになる理由が
「やり方の問題ではない」と分かったら、
次に考えるべきは 「仕組みやツールが向いているかどうか」 です。
すべての現場にツールが必要なわけではありません。
一方で、
人の記憶や善意に頼る限界が来ているケースもあります。
次の記事では、
業務効率化ツールが向いている人・向いていない人
を整理していきます。
まとめ
記録・メモ・議事録が後回しになるのは、
個人の能力や意識の問題ではありません。
- 構造的に後回しになりやすい
- 使われる前提がない
- 誰のための作業か曖昧
この前提を理解するだけでも、
業務効率化の考え方は変わってきます。